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検査部門

概要

検査技術課は血液や尿などの検査を実施する検体検査課と心電図、呼吸機能、超音波検査、採血などを実施する生理検査課からなり、約35名の臨床検査技師が一年間にのべ100万人、370万件以上の検査を実施しています。また、当課は毎年実施される日本医師会や日本臨床検査技師会の外部精度管理調査に参加し優秀な結果を得ており、検査精度管理が正しく行われていることを保証する日本臨床検査技師会・日本臨床検査標準協議会の「精度保証認定施設」にほぼ制度発足時より認定されております。さらに、当課の臨床検査技師の多くは日本超音波学会認定の「超音波検査士」をはじめ日本臨床微生物学会認定の「認定臨床微生物検査技師」「感染制御認定臨床微生物検査技師」、日本輸血・細胞治療学会認定の「認定輸血検査技師」、日本検査血液学会認定の「認定血液検査技師」、日本臨床検査技師会認定の「認定一般検査技師」、日本臨床病理医学会・同学院認定の「一級、二級臨床検査士」、日本救急検査技師認定機構の「救急検査認定技師」、「糖尿病療養指導士」「NST専門療法士」など数多く取得しており県内最高レベルの検査を実施しております。

夜間休日の検査体制は当直者、日直者の他24時間、平日昼間と同じレベルの検査を提供できるように連絡網を整備し、万全の体制を築いております。

また当課では日常検査業務以外に安全な検査のために病棟での血糖測定装置や尿試験紙の保守管理を一括して行っているほか糖尿病教室、NST、院内感染対策などのチーム医療にも検査の専門的知識を生かして参加しています。

検査受付・中央採血室

15番窓口で採血・採尿の患者様と生理検査の患者様の受付を行っています。外来採血業務はすべて国家資格を有する臨床検査技師が担当し、1日平均約400~500名実施しています。採血は受付順となりますが車椅子の患者様が多い場合などはスペースの関係上前後いたしますことをご了承ください。混雑時には大変ご迷惑をおかけいたしておりますが他部門からの応援体制もとり、標準採血ガイドライン(日本臨床検査標準協議会)に基づいてできるかぎり安全な採血を心がけております。採血時に気分が悪くなる方はベッドでの採血も可能ですので遠慮なさらずにお申し出ください。

 

一般検査

一般検査は血液以外のものを対象とした検査で、尿や便、髄液や体腔に異常に貯留した体液(胸水、腹水、関節液)などの検査を行っており内容は様々で多岐にわたります。
尿検査は糖や蛋白など化学成分が異常に含まれていないかを調べ、がんを疑う細胞がみられないか顕微鏡を使って観察します。

 

便検査では消化管の出血、主に大腸がんのスクリーニングとして潜血反応を、腹痛や下痢の原因検索として寄生虫の検査を行います。
髄液や体腔に貯留した体液はそれに含まれる化学成分を調べ、異常の原因がどこかを探るため顕微鏡で細胞の確認を行います。
この他にもインフルエンザなど感染症迅速検査も当院では一般検査で行っており、自動化が進んだ検査の中でも特に人の手で検査を行うことが多い部署となっています。

生化学検査

生化学検査とは、血液や尿、髄液などを用いて蛋白・糖・脂質・酵素・ホルモンなどの化学成分を測定することで健康状態や病気の診断、治療効果を判定する検査です。主に肝機能、腎機能、膵機能、糖代謝、脂質代謝などの検査で、健康診断の結果でよく目にする“メタボリックシンドローム”その指標となるHDLコレステロール(善玉コレステロール)やLDLコレステロール (悪玉コレステロール)、食後に上昇する中性脂肪、飲酒で高値になるγ-GTP、糖尿病の診断に不可欠な血糖値も生化学検査の一項目です。採血された検体は、血液中に存在する化学成分を1gの1000分の1“ミリグラム”や、1000000分の1“マイクログラム”という極微量の単位で測定するため、担当技師は毎日検査機器や試薬の精度管理を行い、常に分析機器を最良の状態に保ちながら正確な結果をより早く報告できるように日々努力しています。

 

免疫血清検査

体外から入ってくる異物(抗原)に対し、身体が抵抗する働きを免疫と呼び、この時に作られる物質は抗体と呼ばれます。一度抗体ができると、後に、抗原が侵入してもその抗体が抵抗するようになります。この抗体と抗原が結びつく反応を抗原抗体反応(または免疫反応)と呼びます。免疫血清検査は、この抗原と抗体が特異的に反応することを利用して抗原や抗体の有無や量を調べる検査で、感染症・悪性腫瘍等の診断に欠くことのできないものです。


<腫瘍マーカー・ホルモン・感染症分析装置 ARCHITECT i4000SR>

血中薬物濃度検査

抗てんかん薬・免疫抑制剤等の治療薬の血中濃度を測定します。
治療薬の血中濃度モニタリングをすることは大変重要であり、血中濃度を最適な濃度に保つことによって最適な治療効果が得られ、薬物中毒などを防ぐことができます。


<血中薬物濃度測定装置 Dimension EXL200>

アレルギー検査

外から異物(抗原)が侵入すると、からだを守ろうとして抗原抗体反応を起こすようになっています。しかし、このような仕組みも、ときとして異常をきたし、抗体が必要以上に強く抗原に反応したり、必要がないのに抗体ができることがあります。これがアレルギー反応で、発疹、発熱、ショックなどの症状が現われます。
アレルギーを起こす原因となる抗原をアレルゲンと呼び、その抗体を調べる事でアレルギーの原因や反応の強さを知る事ができます。


<アレルギー分析装置 IMMULITE 2000XPi>

血液検査

赤血球や白血球、血小板、ヘモグロビンなど血液中の細胞や成分を測定し、分類することで貧血や白血病などを調べるいわゆる血液検査をはじめとして、出血を止める機能や血栓の有無を調べる凝固線溶系検査や骨髄検査などを行っています。検体の総数は1日平均で500~600件、多い時は700件を超えることもあり、3台の血球分析装置と2台の凝固線溶系測定装置で対応しています。


  • <多項目自動血球分析システム>

  • <凝固線溶系測定装置 ACL-TOP>

また、凝固線溶系検査の院内対応項目数は県内随一を誇り、そのほとんどは当日に結果報告が可能となっています。
そのほかフローサイトメーターを備え、血液や骨髄、体腔液中の細胞の表面抗原の検索や解析を行うことで白血病や悪性リンパ腫など造血器腫瘍の迅速な診断、また、骨髄移植などの造血幹細胞移植治療の一端を担っております。


<フローサイトメーター Cytomics FC500>

細菌検査

細菌検査室では生体内のどこで感染が起きているのかを見つけるために尿・便・喀痰・咽頭ぬぐい液・血液・体液・膿などを検査材料として培養検査を行っています。

患者さんから採取した検査材料を専用の色素で染めて(グラム染色)顕微鏡で観察します。


  • <ブドウ球菌>

  • <大腸菌>

検査材料を様々な培地を用いて培養することで、感染症の原因となる細菌を見つけ出します。


<培地に発育した大腸菌>

さらに、その細菌にどの薬剤が効くのかを検査し、治療に適した抗菌薬を判別します。


<MicroScanWalkAway96plus(薬剤感受性測定器)>

感染症の中でも、血流感染を起こしていないか調べる血液培養は、より迅速な対応が求められるため24時間365日対応しています。


<BACT/ALERT 3D(血液培養装置)>

また、当院には結核病棟があるため、結核菌を取り扱うこともあります。結核菌は感染力が強いため、この検査を行う時は専用の作業台を使用しています。


<安全キャビネット>

その他、結核菌の有無を数時間で調べることができるPCR法、マイコプラズマ肺炎のためのLAMP法といった遺伝子検査も行っています。


  • <cobas TaqMan48(抗酸菌PCR用機器)>

  • <TurbidimeterRT-160C(LAMP法測定機器)>

これらの検査により検出された細菌の情報は院内感染対策にも役立てています。

生理検査

生理検査室では超音波検査、心肺機能検査、脳波・筋電図検査、耳鼻咽喉科外来での聴力検査を10名の臨床検査技師が行っております。
患者様の誤認を防ぐために、検査前にご本人様のお名前を確認させて頂いており、ご協力をお願いいたします。また心電図、心臓超音波検査で女性技師希望でしたら遠慮無くお申し出ください。その際は多少お待ちいただくことをご了承ください。

超音波検査

腹部、心臓、頸動脈、甲状腺、下肢静脈を対象に実施しています。
対象部位にゼリーをつけるだけで痛みも無く、安全な検査です。日本超音波医学会認定の専門資格を持つ超音波検査士管理下で臓器の形態異常や腫瘤の有無、血行動態、機能評価などを目的として行っています。


<東芝Xario XG>

心肺機能検査

心電図、ホルター心電図、24時間血圧計、ABI/PWV検査、トレッドミル検査、肺機能検査、一酸化窒素など行っています。
※呼気中の一酸化窒素濃度測定は喘息の補助診断となるものでH27年8月より開始いたしました。


<一酸化窒素濃度測定機(NIOX VERO)>

脳波・筋電図検査

脳波検査、神経伝導検査、針筋電図(医師施行)、睡眠時無呼吸検査、誘発電位を行っています。

聴力検査

日本聴覚医学会認定の聴力測定技術取得スタッフのもと以下の項目を実施しています。
標準純音聴力検査、ティンパノメトリー、耳小骨筋反射、遊戯聴力検査、標準語音聴力検査、耳音響放射検査、耳管機能検査、鼻腔通気検査、平衡機能検査を行っています。

精度管理

検査室において測定された検査値は日本臨床検査技師会、及び日本臨床検査標準協議会により認定を受け、その精度が保障されています。正確な検査値を患者様に提供しています。

92002-1

 

スタッフ紹介

  • 検査部長:谷 達夫
  • 検査技師長:山田 隆
  • 臨床検査技師:35名

認定資格取得状況

認定一般検査技師 4名
認定輸血検査技師 2名
認定血液検査技師 4名
認定微生物検査技師 4名
感染制御認定臨床微生物検査技師 3名
認定心電検査技師 5名
救急検査認定技師 1名
超音波検査士 消化器領域 4名
循環器領域 5名
健診領域 2名
泌尿器領域 1名
1級臨床検査士 血液学 1名
2級臨床検査士 循環生理学 5名
神経生理学 1名
血液学 3名
微生物 5名
免疫学 2名
緊急臨床検査士 3名
聴力測定技術(日本聴覚医学会) 2名
平衡機能検査技術者 3名
NST専門療法士 2名
臨床工学士 2名
糖尿病療養指導士 4名
電子顕微鏡一般認定 1名
日本乳がん検診精度管理中央機構 超音波部門 A評価 1名

 

印が休診日、印が午前のみ診療です。

             
             
             
             
             
             
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