PET/CT検査を開始しました
長岡赤十字病院では地域の医療機関と当院との相互協力により、良質で安全な医療を提供する病院を目指して、平成27年7月8日よりPET/CT検査を開始しました。地域の皆様からご活用していただき、地域医療の質の向上とがん医療の均てん化に繋がれば幸甚です。
PET/CT検査について
→PET/CT検査とは?
→PET/CT検査の対象疾患
→PET/CT検査の有効性と限界
→保険適用について
→PET/CT検査の流れ
→PET/CT検査対象外の方
→PET/CTセンターご案内図
PET/CT検査とは?
PETとは陽電子放射断層撮影 (Positron Emission Tomography:ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)の略称です。
「がん細胞は正常の細胞に比べて多くのブドウ糖を取り込む」という性質を利用して、ブドウ糖にフッ素18[18F]というごく微量の放射線放出物質(放射性同位元素)をくっつけた薬剤(以下、FDG)を体内に注射します。
すると、がん細胞は正常な細胞より多くのFDGを取り込みます。そこから放出される微量の放射線をPETカメラでとらえて、がん細胞の位置や大きさ、進行の度合いを調べます。
全身の画像をコンピュータ処理することで、がんの広がりなどがわかりやすくなります
3D MIP画像
冠状断層画像
CT画像とPET画像を重ねることで、がんの位置も明瞭になります
重ね合わせ画像
PET画像
CT画像
PET/CT検査の対象疾患
当院のPET/CT検査は18F-FDGを用いた悪性腫瘍(早期胃癌を除く)の診断を対象としています。
発見しやすい腫瘍
- 肺がん
- 頭頸部がん(咽頭、喉頭、甲状腺など)
- 食道がん
- 膵臓がん
- 大腸がん
- 乳がん
- 卵巣がん
- 子宮がん
- 悪性リンパ腫
- 悪性黒色腫
- 骨、軟部腫瘍
- 転移性脳腫瘍
- 転移性肝がん
など
PET/CT検査の有効性と限界
PET/CT検査は、一度の撮影でほとんど全身のがんを検査できます。欧米ではすでに"PET FIRST(まずペット検査を)"という言葉が存在するほど、がんの発見に有効な検査方法として確立されています。
ただしPET/CT検査では発見できないがんの種類や大きさがあります。また他の検査が必要となる場合もあるため、PET/CT検査といえども万能ではないことをご了承ください。
発見しにくい腫瘍
- 1㎝未満のがん
- 早期の胃・食道がん
- 肝がん
- 胆道、胆のうがん
- 腎、膀胱、尿管、前立腺がん
- 白血病
など
保険適用について
病 名 | 要 件 |
---|---|
悪性腫瘍(早期胃癌を除く) | 悪性腫瘍の診断がすでに確定しているが、他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合 |
- スクリーニング目的、または「疑い」は保険適用になりません。
- 病期、転移、再発の診断で行うPET検査について、画像診断、他の検査による精査が施行されていないと保険適用になりません。
- 病理診断による確定診断が得られなかった場合については、臨床上高い蓋然性をもって悪性腫瘍と診断されている場合、病期診断として保険適用となります。
- 化学療法や放射線治療の効果判定の目的は保険適用になりません。また、再発を疑う強い所見が無い定期的な経過観察目的も保険適用になりません。
- 同一月内にガリウムシンチグラフィーが行われた場合は、保険適用となりません。
PET/CT検査の流れ
PET/CT検査対象外の方
以下の条件に該当する方はPET/CT検査をお受けできませんので、ご了承ください。
- ストレッチャーの方
- 付き添いや介護が必要な方
- 20分間、仰臥位で静止できない方
- 検査当日に、糖尿病内服薬やインシュリン注射をしてしまった方
- 意志の疎通が十分にできない方
- オムツや採尿バックを使用しており自分で交換や廃液ができない方
- 約3時間、RI検査室から退出できないことが耐えられない方
- 妊娠中の方
- 重度の閉所恐怖症の方
- 空腹時血糖値が、200mg/dl以上の方
- その他の検査に対する注意事項を守る事ができない方
PET/CTセンターご案内図
【PET/CT検査についてのお問い合わせ】
長岡赤十字病院
放射線科部 RI/PETセンター
TEL.0258-28-3600(内線2174)